Translate

2026-03-02

整えるということ

 

整えるということ

― 不調を消すのではなく、戻る力を支える ―

「整える」とは、どういうことでしょうか。

痛みを取ること。
症状をなくすこと。

もちろんそれも大切です。

けれど東洋医学では、
もう少し違う視点で体をみています。


不調は、結果であることが多い

肩こりや不眠、のぼせ、冷え。
それらは突然あらわれるのではなく、
体の巡りや土台のゆらぎが重なった“結果”として出てきます。

症状だけを追いかけると、
一時的には軽くなっても、また繰り返すことがあります。

整えるというのは、
その背景にあるバランスに目を向けることです。


巡りと土台

東洋医学では、体を流れる「気血」の巡りと、
体を支える「腎」の力を大切に考えます。

特に更年期世代では、
巡りが上に偏ったり、土台が少し弱くなったりすることがあります。

のぼせと冷えが同時にある。
眠りが浅いのに疲れが抜けない。

それは体が乱れているというより、
少しアンバランスになっている状態です。

整えるとは、その偏りを静かに戻していくことです。


脈からみる“いま”

当院では、脈を拝見しながら体全体を判断します。

強すぎるところは少し落ち着かせ、
弱いところはそっと支える。

必要なところに、必要なだけ。

強く変えるのではなく、
体が本来持っている力が働きやすい環境を整えていきます。


未病の段階で

東洋医学には「未病」という考えがあります。

まだ大きな病気ではないけれど、
なんとなく整わない状態。

この段階で整えることができると、
体は穏やかに安定していきます。

整えるとは、
今ある不調を消すこと以上に、
これからを心地よく過ごすための準備でもあります。


からだは本来、戻ろうとする力を持っています。
その力を信じ、静かに支えること。

それが、当院の考える「整える」ということです。

脈診については、こちらの記事で詳しくお伝えしています。
→「脈診とは何か


3月のゆらぎに、そっと整えるという選択 ― 更年期世代の春養生 ―

更年期世代の方から、3月になるとよく伺うご相談があります。

北海道の3月は、光こそ春めいてきますが、風はまだ冷たく、朝晩は冬の名残も感じる季節です。

季節が動き出すこの時期、

・なんとなく気分が落ち着かない
・少しイライラしやすい
・眠りが浅い
・顔がほてることがある
・首や肩が張りやすい

そんな変化を感じることはありませんか。

「年齢のせいかしら」と思うこともありますよね。
けれど実は、春という季節の影響も、そっと重なっています。


春は、体のエネルギーが外へ向かう季節

春は、草木が芽吹くように、
体の中のエネルギーも自然と外へ向かいます。

東洋医学では、この働きを「肝(かん)」といいます。

本来はのびやかで前向きな力ですが、
寒暖差や忙しさが重なると、少し強く出すぎることがあります。

すると、

ほてり
気分のゆらぎ
頭や首の張り

といった形であらわれることがあります。


更年期は、土台がゆっくり変わる時期

年齢とともに変化していく体の土台を、東洋医学では「腎(じん)」と呼びます。

更年期は、その土台がゆるやかに移り変わる時期。

そこへ春の“上へ動く力”が加わると、
少しアンバランスになりやすいのです。

弱っているというより、
ちょうど調整している途中、と捉える方が自然かもしれません。


北海道の3月に大切なこと

春の気配はあっても、足元はまだ冷える北海道。

上半身がほてりやすい時ほど、

・足首やお腹を冷やさない
・首の後ろを冷たい風から守る
・ぬるめのお湯にゆっくり浸かる
・朝に軽く伸びをする

そんな小さな心がけが、体を落ち着かせてくれます。

がんばる養生より、
ゆるめる養生を。

それが、この季節のコツです。


体のバランスは、外からは見えません。
けれど脈やお腹には、今の状態があらわれます。

脈診については、こちらの記事でも少し詳しくお伝えしています。

→「脈診とは何か

宮の森すまいる治療院では、脈やお腹の状態を丁寧に拝見し、

症状だけでなく、全体の巡りを整えることを大切にしています。

更年期は、体が次の段階へ移ろうとする大切な時期。
その変化を穏やかに支えることも、ひとつの養生です。

当院は完全予約制で、
お一人ずつ静かな時間の中で施術を行っています。

3月は季節の変わり目ということもあり、ご予約がやや動きやすい時期です。
「少し整えておこうかな」と感じたときに、思い出していただければ幸いです。

春は、整え直すのにちょうどよい季節です。

脈診とは何か

脈診とは何か

― 体の現在地を知るということ ―

鍼灸では、手首にそっと触れて脈をみます。

血圧や脈拍数を測るものとは少し違い、
東洋医学でいう「脈診」は、体全体のバランスを知るための方法です。

強いか弱いか。
深いか浅いか。
張りがあるか、やわらかいか。

その微細な違いから、今の巡りの状態を読み取ります。

特別なことのように感じられるかもしれませんが、
脈は本来、とても素直なものです。
体の状態は、指先に静かに伝わってきます。


脈は「今」を映すもの

脈は、その人の体質だけでなく、
その日の疲れや緊張、季節の影響までも映します。

春は少し張りが出やすく、
冬は内に沈みやすい。

脈は、体の“現在地”を教えてくれます。


症状だけでは見えないこと

肩こりやのぼせ、眠りの浅さ。

同じ症状でも、原因となるバランスは人それぞれです。

巡りが滞っているのか。
土台がやや不足しているのか。
気が上に偏っているのか。

脈をみることで、その違いが見えてきます。

だからこそ当院では、
症状の強さだけでなく、まず脈を大切にしています。


経絡治療と脈診

当院では、伝統的な「経絡治療」という方法を行っています。

経絡治療は、体を流れる気血のバランスを整える治療法です。
そしてその判断の軸となるのが脈診です。

脈をみて、
どの経絡が弱いのか。
どこが過剰なのか。
どこから整えるのが自然か。

刺激は強ければよいわけではありません。
必要なところに、必要なだけ。

脈は、整える方向を示す“地図”のような存在です。


未病の段階で整える

体のバランスは、自分ではなかなか分かりません。

けれど脈には、
まだ症状になっていない小さな偏りもあらわれます。

東洋医学には「未病」という考えがあります。
不調が大きくなる前の、静かなサインの段階です。

脈診は、その段階に気づくための手がかりになります。

整えることは、
不調をなくすことだけではありません。

これからを穏やかに過ごすための準備でもあります。


当院は完全予約制で、
静かな時間の中、脈を丁寧に拝見しています。

脈は、からだの声です。
その声を聞くことから、整えることは始まります。

2026-02-05

更年期のツライ不眠や中途覚醒について

 以前も睡眠について書きましたが、やはり体調を整えるには睡眠が大事です。

そして、当院の患者さんのお悩みの中でもかなり多いのがこの睡眠についてのご相談です。

寝つけない、寝たはずなのに朝がすっきりしない…。途中で何度も起きてしまう。

そんな症状の方に前回はドライヤーでお腹の周りを温めることを紹介いたしました。

今の季節(冬)はそのような症状に加えて、足が冷えて眠れないというご相談が多くなってきます。

「靴下を何重にも重ねて履いている」「寝ている間ずっと同じ温度で足裏を電気で温め続けている」など色々対策をしているがどうしたら良いか?等多く聞かれます。

まずは、できれば足裏はなにも付けずに開放しておいた方が良いです。なのでレッグウォーマーを足首若しくはカカトぐらいまで覆って足裏は出しておく。

どうしても冷たい場合は、ゆっくりと温度が下がっていく「湯たんぽ」や「レンジで温めるカイロ」などで足裏を温めながら眠るのは良いです。

なぜ足裏を開放した方が良いかと言うと、東洋医学的には夜眠っている間に体にとって余分な熱(これは体を温めてくれる熱ではないです)を足裏から放出して、体の中の巡りをよくすることでからだを整える機能が正常に働いてくれるからです。

かなり足の冷えでお悩みの患者さんは、最初はこの方法だと心許なくて不安な方が多いですが、足裏を開けていた方が冷えが改善することを実感される方が多いです。

ちょっと面倒ですが足裏開放+湯たんぽ お試しください!






2026-01-01

門松を自作しました 〜冬の養生とけいらく治療〜

 昨年同様お正月を迎えるにあたり、門松を自作しました。

(インスタグラムに制作風景をちょこっと載せました)

https://www.instagram.com/p/DSwuCVyEXU9/?igsh=cHZzcXNteWhnaGR5

 実際に作ってみると、門松に使われている自然素材や形には、昔の人の「季節の捉え方」や「体をいたわる知恵」が詰まっているように感じます。

門松のは、しなやかで折れにくく、まっすぐに伸びる性質があります。
東洋医学では、体の中を巡る「気」や「血」がスムーズに流れていることが健康の基本です。
ストレスや疲労が続くと、この巡りが滞り、
肩こりや頭痛、自律神経の乱れといった不調につながりやすくなります。

また、は寒さの厳しい冬でも青々とした葉を保ち続けます。
東洋医学でいう「腎」は、生命力の源であり、冷えや腰の不調と深く関係しています。
冬に冷えが強くなる方や、腰痛が悪化しやすい方は、
腎の働きが弱っているサインとして現れることも少なくありません。

実際にこの時期、
「手足が冷える」
「腰が重だるい、痛みが出やすい」
「眠りが浅い、疲れが取れない」
といったご相談が増えてきます。
これらは、冷えによって気血の巡りが悪くなり、自律神経のバランスが乱れている状態とも考えられます。

けいらく治療では、
体を内側から温め、巡りを整えることで、
冷え性や腰痛、自律神経の乱れをやさしく整えていきます。
冬は無理に頑張りすぎず、体にエネルギーを蓄える季節です。

門松などのお正月飾りを飾りながら、
「この一年、体を大切に過ごそう」
そんな気持ちを新たにすることが、結果的に不調の予防にもつながるかな?とも思いました。

新しい年も、季節に寄り添ったけいらく治療を通して、
皆さまの体調管理をお手伝いしていきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

1月5日㈪から診療スタートです!

休診中もLINE予約を受け付けております。たまに、「お休み中に申し訳ない」と言って休診中のLINE予約を躊躇される方がいらっしゃいますが、普段スマホの通知音は消して自分のタイミングでしかスマホを確認しないので深夜早朝問わずご遠慮なくご予約下さい!(ですので、すぐ気づけない時もありますが…😢)

2025-11-26

薄毛や白髪について

 特に冬になると前髪や生え際が気になる方のご相談が増えます。

東洋医学の五臓のうちの一つ「腎」は成長・生殖・発育などに関係がある臓器。(※腎臓とは別の話です)

「腎」と髪は関係が深く、東洋医学では「髪は腎の華」と言われています。

冬は「腎」に大きな負担がかかる季節で、「腎」のエネルギーが不足してくると、抜け毛や白髪などの髪のお悩みが増えてきます。

当院でも髪のお悩みにも対応した治療をしておりますのでご相談くださいね!

「腎」を補うことができる食材は、「黒色」の食べ物がおすすめ!

黒ごま、黒豆、ひじき、きくらげ、海藻類など「黒」がキーワード。

私も冬になったら水筒の中身は黒豆茶です!

【お知らせ】

キャンセルの情報や健康ツボ情報をインスタグラムで発信することになりました!

是非フォローをおねがいします!↓

https://www.instagram.com/miyanomori_smile?igsh=ZmZuZzBqaXF3bmRm



2025-10-29

夜中に何度も目が覚めてしまう…

寝つきが良くない…、寝ても朝スッキリ起きられない…、日中ボーっとする、など治療のご相談で多いのが睡眠の問題。
その中でも「夜中何度も目が覚めてしまう」いわゆる「中途覚醒」という症状が特に多いご相談です。
経絡治療をして、プラスお家でできることの一つとしてお灸はとても良いですが、もっと簡単にできるのが「ドライヤー温灸」です。

以前のブログでも書いていますが、ドライヤーで首のまわりを温めること
お腹を温めること。おへそを中心に半径5~10㎝の範囲を気持ちが良い程度に数秒ドライヤーを当ててみて下さい


なぜお腹を温めると良いかというと、睡眠時には陽気がお腹に集まると良いとされており自分の力で陽気を集められない方にはおすすめの方法です。


2025-09-18

うつ症状と便秘に関係が!?

 65歳以上のうつ症状と胃腸の症状、特に便秘に関連していることを順天堂大学の研究チームが発表しました。

当院の経絡治療にも年齢問わず胃腸の不調(便秘、下痢、胃もたれ、胃痛、逆流性胃腸炎…)やうつ的な症状で来院される方が多くいらっしゃいます。

前述の研究では、うつ症状が強いほど便秘が重症で、逆流、下痢の症状も悪化していたいうことです。

経絡治療では、腰痛肩こり膝痛なども含めて全ての治療でまず最初に内臓の状態を整えてから治療に当たります。

一見、関係ないと思われる症状でも意外とそれが治療の根本になることも多くありますので、問診の際には内臓の状態や最近の気分のこと(イライラ、悲しみ、頭が働かない…)なども教えて頂けるとありがたいです!


2025-08-27

自律神経と夏バテ

 まだまだ暑い日が続いていますね~

以前はお盆が過ぎてひと雨ひと雨涼しくなってきたものなんですが、最近は雨が降っても蒸し暑いですよね。

前回のブログで「冷えバテ」について書きましたが、まだ冷房を使う機会があったり、アイスなど冷たい物を食べたり、キンキンに冷えたビールを…と知らず知らずのうちに体を冷やしてしまっていることがあると思います。

そうなると自律神経が乱れ、内臓の調子が悪くなったり、疲れやすくなったり…様々な不調が出てきます。

前回お風呂に浸かることをおすすめしましたが、「それでもやっぱり…」とシャワーだけになってしまっている方は、寝る前に「首と背中の間あたり」と「おへその下あたり」をドライヤーで気持ちい程度の温かさになるように数秒当ててから寝てみて下さい!

ドライヤーを温める前にそのあたりを触ると環境は暑いのに意外と冷たくなっていることが多いです。

でも、やっぱり温かいものを胃に入れたり湯舟に浸かるのが一番なのでそれはお忘れないように!



2025-07-25

夏バテ?いや「冷えバテ」かも

 毎日記録的な猛暑が続いてぐったりしていませんか?

まだちょっと早いかもしれませんか、これからの秋冬の季節を心地よく過ごすためのコツを少しだけ…。

「体がだるい」「便秘や下痢など胃腸の調子が悪い」「むくみ」「眠れない」「暑いのに冷える」

北海道でも施設や各ご家庭にもエアコンが付けられるようになってきました。

本来、身体は夏の暑さを体感したくさん汗をかき、ストレスなどの悪いものもついでに出して次の季節を迎える準備をします。

しかし、これほどまでに暑いとどうしても冷房の中にいることが多くなって、自律神経の調整が難しくなってきてしまいます。

足が冷えて頭が熱くなりのぼせたりめまいを起こす。睡眠不足になりがち。胃に冷たい物を多く入れることによって胃腸の働きが悪くなる。などこれらの症状は夏に起きる「冷え」の影響が大きいです。

そのままにしておくと、この先の秋冬の体調が整わなくなってしまい更年期症状が出やすかったり月経前の症状がひどくなったりと様々な症状が出てきてしまいます。

そこで

一瞬でもお風呂に浸かるタイミングがあれば入ってみる。

冷たいものを摂った日は寝る前に温かい飲み物をほんの少しでも飲んで胃を温めてから寝る。

暑くて動きたくないですが、一種類だけでもストレッチをする

など

まだまだ暑いのですが、早めの冷え対策を試してみると良いですよ!

私は(特に冷え性で治療中の)患者さんに、暑くて気持ち悪くなければ、Tシャツに短パンでも良いのでレッグウォーマーだけはしてみて下さい。とお伝えしています。

こういったセルフケアや治療は、

「症状が出る前のちょっと最近体に無理がかかっているな~。」

というタイミングで行うと、もし何かの症状が出た時にも早く良くなるきっかけにもなります。

まだまだ暑い日が続きますがこの先の季節に向けて心身ともに


整えましょう!


整えるということ

  整えるということ ― 不調を消すのではなく、戻る力を支える ― 「整える」とは、どういうことでしょうか。 痛みを取ること。 症状をなくすこと。 もちろんそれも大切です。 けれど東洋医学では、 もう少し違う視点で体をみています。 不調は、結果であることが多い ...